○転写紙の種類
セラムアーツは次の４種類の転写紙を販売しています。
ピンク系ふち無し転写紙
レッド系ふち有り転写紙
レッド系ボーンチャイナ用転写紙（プロフェッショナル用）
トップコート転写紙

一般に使われるのはピンク系ふち無し転写紙とレッド系ふち有り転写紙です。 ふち有りは焼成後に転写紙の切り口がごく薄いセロハンテープのように残ります。これは転写紙の全面にガラス層を被せているためです。 これに対し、ピンク系ふち無し転写紙では、顔料にフラックスを混ぜるため焼成後にふちは残りません。 しかしながら、フラックスの量が不足する傾向があるため焼成後の印刷面は若干艶にかけます。また、顔料にフラックスを混ぜことで色が薄くなる傾向があり、 これをカバーするため色の彩度を落として印刷しているので、色がくすみ原図から色がずれます。 レッド系でピンクは薄紅色に近くなりますが、発色はレッド系の方が綺麗です。 したがって、ふちが気にならないのであればレッド系をお薦めします。最も綺麗な仕上がりはレッド系をデザインにそって切り取った場合です。
ピンク系転写紙とレッド系転写紙で絵付けした例を下に示します。




    上の写真はセラムアーツの社内で白磁タイルに焼き付けたものです

セラムアーツで販売している４種類の転写紙について次の図を使って説明します。


ピンク系ふち無し転写紙
この転写紙の顔料にはCMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック）を使っています。 ただし、マゼンタとイエローを混ぜて発色させるレッドはえんじ色に近くなるという難点があります。 この転写紙では顔料にフラックスが入っていますので、オーバーコートはフラックスなしとなります。 その結果、転写紙の何も印刷していない部分は全て燃焼し焼成後に転写紙の切り口（ふち）は残りません。 反面、顔料にフラックスを混ぜるので色が薄くなり、焼成後の表面の光沢に欠ける傾向があります。 また、色が薄くなるのをカバーするため原図から彩度を落として印刷しています。このため色がくすむ傾向があります。
ピンク系ふち無し転写紙で、色が薄いというご指摘をいただいていましたので、色の濃さを+10%、+20%、+30%の３段階で増加できるようにしました。 ご購入時に通信欄でご指定ください。ただし、えび茶色やこげ茶色の濁色(CYMKのY+M+Kが大きい色）は色を濃くすると印刷面にちぢみのような欠陥が出やすくなりますのでご注意ください。

レッド系ふち有り転写紙
この転写紙の顔料はマゼンタの代わりにレッドの顔料を使用していますので、鮮やかなレッドは発色しますが、マゼンタ（ピンク）は発色せず薄紅色になります。 また、オーバーコートにフラックスが入っていますので、焼成後に顔料は薄いガラス層で覆われます。 強い発色とともに非常に平滑な表面が得られますが、上の図に示しましたように転写紙の切口の跡（ふち）が焼成後も残るという難点があります。 また、ふち無し転写紙に比べ、転写紙は若干硬く柔軟性に欠けるとお感じになるかもしれません。しかし、発色は綺麗ですのでふちの気にならない方は、 この転写紙を使うことをお勧めします。最も綺麗な仕上がりは、ふちを消すためデザインに沿って転写紙を切り取って使う場合です。
フリーサイズアルミナ薄板の上絵付けには、この転写紙をお使いください。

レッド系ボーンチャイナ用転写紙（プロフェッショナル用）
この転写紙は顔料とオーバーコートのいずれにもフラックスは入っていません。したがって、顔料を固定するには生地の釉薬の中に顔料を溶け込ませる必要があります。 このため焼成条件の設定には、経験とテスト焼成が必要でプロフェッショナル用途となっています。 ボーンチャイナでは９００℃付近、ニューボーンチャイナでは１１５０℃付近が最適温度となりますが、正確な温度はお客様自身が決めてください。 顔料には、フラックスなしのレッド系のみが使えます。ご購入の前にshopmaster@ceram-arts.comにお問い合わせください。

トップコート転写紙
セラムアーツのオーダーメイド転写紙は非鉛顔料を使用していますので食器に使うことができます。 しかしながら、転写紙の食器への使用には安全性に関する知識が必要ですので、経験のない方は、正式な教育を受けたポーセラーツインストラクターの方などの指導を受けることをお勧めします。 特に酸性の液体が入る食器の内側に黄色―赤色系の顔料で絵付けをする場合には注意が必要です。 赤ちゃんの使う食器の内側に「ふち無し」の転写紙で極彩色のデザインをしているのをみるとハラハラすることがあります。 このようなデザインをする場合は、一度絵付けをした上からデザインを覆うようにトップコート転写紙を焼き付けてください。薄いガラス層が顔料を被覆しますので金属イオンの酸性溶液中への溶出を劇的に押さえる効果があります。 ２度の焼成が面倒な方はお子様用のジュースなどが入るコップの内側への絵付けはやめたいところです。 お母様の愛情のこもった食器がお子様の安全性を損ねたのでは元も子もありません。

○転写紙の使用方法と焼成条件（推奨値）
水転写紙でいつもお使いのポーセリンアート・ポーセラーツ用転写紙と貼りつけ方は同じです。 しかし、デジタル印刷した転写紙では、生地と転写紙の間に水が残りやすくなります。 貼った後の水の掃出しは丁寧にやってください。
参考のため、セラムアーツの推奨する焼成条件を以下に示します。

 STEP 1: 室温―５５０℃まで２１０分間かけて昇温
 STEP 2: ５５０℃で１０分間保持
 STEP 3: ５５０℃から８２０―８５０℃まで６０－９０分間で昇温
 STEP 4: ８２０－８５０℃で１０－１５分間保持
 STEP 5: 降温（電源をオフしてもいいです）


○よくある質問
なぜ、こんなに安いのですか？：陶磁器用の転写紙は、ほぼ全てスクリーン印刷法で作られています。原図から版をつくり色の異なるインクを用意して何回も重ね刷りする方法です。 この版とインクを調整するのにお金と時間がかかります。これに対し、セラムアーツの転写紙はカラーレーザープリンターで印刷しているとお考えください。 少ない枚数の印刷ではこちらの方がはるかに安く、また、色数によって値段は変化しません。
納期は？：通常は完成イメージの送付に２－３日、転写紙の作成に２－３日、発送しお手元に届くのに３－４日で１０日程度でお届けします（土日曜日・祝日は休業です）。
原稿の作成は助けてもらえますか？：簡単な作業は無料でお手伝いします。しかし、写真のトリミング、色の変化、デザインの変化などは著作権にかかわりますのでできません。パーツの配置程度とご理解ください。
デジカメ写真は転写紙になりますか？：最も得意なところです。大きさを決めてもらえれば、こちらでＡ４版内に配置します。

○転写紙について不満はありませんか？
ポーセリンアート・ポーセラーツのサロン・教室の先生方にとって、転写紙は最も大切なアイテムとも言えます。 転写紙について、以下のようなご不満はありませんか？
 1) 皆な同じ転写紙を使っているので、サロン・教室の独自性を出すのが難しい。
 2) 売っているのは同じようなデザインばかり。
 3) 買おうと思ったときには売り切れになっている。
 4) 転写紙を保存するのは大変。場所も湿気対策も。
 5) 買っても大半が残ってしまう。
 6) 新作を揃えるのが経済的につらい。
 7) 人気のないデザインはどんどん貯まっていく。
 8) 商用不可のものが多く作品を販売したいのにできない。
 9) オーダーメイド転写紙は最少注文枚数が多すぎる。
 10) オリジナル転写紙は売らなければ採算がとれない。でも著作権違反が不安。
 11) オリジナル転写紙を販売しても売れそうもない。
 12) サロンのロゴを作りたいけど高すぎる。１－２枚で十分。
 13) ネームや写真を入れた作品を作りたいけど、どうしたらいいの？
 14) どうしたらもっとサロン・教室を魅力的にできるの？
 15) 今の転写紙を使い回して作品を作るのは飽きた。
 16) オーダーメイド転写紙をどこに頼んだらいいかわからない。
 17) オーダーメイド転写紙は値段がわかりにくい。
 18) オーダーメイド転写紙の見積もりを頼むのは面倒。なんか怖い。
 19) オーダーメイド転写紙は納期がかかりすぎる。いま欲しい。
 20) オーダーメイド転写紙を作っても自分の電気炉で焼けるの？
 21) オーダーメイド転写紙の安全性は大丈夫？
 22) オリジナル転写紙を作りたいけどコンピュータは苦手。
 23) オリジナル転写紙を注文して、もしもデザインを盗まれたら。
 24) もっと気軽にオリジナル転写紙を作りたい!!

セラムアーツは先生方のこんな悩みを完全に解決する技術を提供します。 もう転写紙は買いためるものではなく、欲しいデザインを欲しい時に欲しい枚数購入するものになります。
セラムアーツの転写紙をうまく使い、ご自身の才能とスキルを開花させてください。