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陶芸用オリジナル転写紙を1枚から作成します

ポーセリンアート・ポーセラーツ・陶芸愛好家の皆様のために、セラムアーツは陶芸用フルカラー転写紙を従来までの常識を覆す低価格で1枚から作成します。 オリジナルイラスト、ロゴ、デジカメ写真などなんでもお気軽に転写紙にできます。納期は通常の場合、数日です。 高解像度(500dpi)のフルカラー転写紙で、非鉛系顔料(Lead-free)を使用していますので食器用(Food safe) として使えます。
この転写紙はオーブンを使用する低温焼成タイプではなく、本格的な800℃以上焼成の上絵付け用です。
水に浸して台紙を剥がす水転写紙なので、使いかたは皆様が通常使っているものと同じです。

オーダーメイド転写紙の詳細な説明は下の項目をクリックしてください。

1)転写紙について不満はありませんか?
2)転写紙をご自身で作るメリットは?
3)セラムアーツのオーダーメイド転写紙の特徴
4)食器の安全性と鉛の使用
5)オーダーメイド転写紙の注文方法のフローチャート
6)セラムアーツの転写紙の技術的な優位性
7)セラムアーツの販売する転写紙の種類
8)レッド系とマゼンタ系について
9)転写紙用の画像の作成と編集
10)特殊ソフトによる解像度向上処理(無料)
11) 500dpi割引き
12) 転写紙の使用方法と焼成条件(推奨値)
13) 転写紙焼成時の欠陥に対する補償規定
14) よくある質問
15) よくあるクレーム

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1)転写紙について不満はありませんか?
ポーセリンアート・ポーセラーツのサロン・教室の先生方にとって、転写紙は最も大切なアイテムとも言えます。 転写紙について、以下のようなご不満はありませんか?

種類が限られている。もっと色々な種類の転写紙を販売してほしい。
皆な同じ転写紙を使っているので、サロン・教室の独自性を出すのが難しい。
買おうと思ったときには売り切れになっている。教室で使うのにどうしよう。
転写紙を保存するのは大変。場所も必要だし、湿気はさけなければならないし。
季節ごとに新しいデザインを買い揃えないとならないので経費的にきつい。
人気のあるデザインはすぐに無くなり、人気のないデザインはどんどん貯まっていく。
デザインの良いのは商用不可になっている。作品を販売したいのにできない。
自分でデザインした転写紙を作りたいけど、枚数を増やさないと高くつく。
オリジナル転写紙を作っても販売しないと全く採算がとれない。でも著作権違反が不安。怒られそう。
オリジナル転写紙を販売しても、自分のサロンのブログでは全く売れそうもない。
サロンのロゴを作品に入れたいけど、転写紙の値段が高すぎる。
できればネームや写真を入れた作品を作りたいけど、どうしたらいいの?
将来も転写紙は手に入るの?もしも、手に入らなくなったらサロン・教室は続けられない。
地方のサロン・教室だけど生徒様が少ないのが悩み。どうしたらもっと魅力的にできるの?
今の転写紙を使い回して作品を作るのは飽きた。もっと自由にデザインしたいのにできない。
オリジナル転写紙を作りたいけど、どこに頼んだらいいかわからない。
オリジナル転写紙を作りたいけど、値段がわかりにくい。見積もりを頼むのは面倒。なんか怖い。
オリジナル転写紙を作りたいけど、納期がかかりすぎる。一月以上も待てない。
オリジナル転写紙を作りたいけど、使い勝手が違ったらどうしよう。もしも、電気炉にダメージが
転写紙を選んで貼るのがアートなのかと疑問を感じることがある。


2)転写紙をご自身で作るメリットは?

作品の幅が格段に広くなります。
オリジナル転写紙をデザインして販売することができます。
作品を自由に販売でき、趣味が在宅ビジネスを兼ねることになります。
結婚式や出産祝いの写真入り記念プレートなどが、超低価格でできるようになります。
サロン・教室の独自性を簡単に出すことができます。
転写紙が手に入らなくなったらどうしようという不安から解放されます。
白磁に合った転写紙を選ぶのではなく、白磁に合わせて転写紙を印刷することで全く新しい陶芸アートの世界が広がります。

3)セラムアーツのオーダーメイド転写紙の特徴

820-850℃で焼き付けるポーセリンアート・ポーセラーツ用転写紙です。
鉛フリーでさらに表面にガラス層が被さるので安全性の高い転写紙です。
画像ファイルから直接転写紙をデジタル印刷します。
料金は色数により変化しません。
セットアップ料金は無料です。
簡単なデザインのサポートは無料で受けられます。
ファイルサーバを無料で提供します。
コンピュータの苦手な人でも、サンプルを選びメールで連絡するだけでオリジナル転写紙が作れます。
同様のサービスをセラムアーツよりも低価格で提供する業者は世界中どこにも存在しません。
ポーセリンアート・ポーセラーツ用転写紙と使い勝手は同じです。
ポーセラーツ用の転写紙と焼成温度も同じなので、一緒に使うことができます。
電気炉にダメージを与えることはありません(長期の試験済み)。
転写紙の使用制限はありません。転写紙の転売や完成作品の販売もできます。
通常の食器として使用でき食洗器もOKです。
爪、たわし、ナイフなどでキズがつくことはなく永遠に色あせもありません。
電子レンジの使用も全く問題ありません。
独自技術により、世界で最も綺麗なデジタル転写紙となっています。

4)食器の安全性と鉛の使用
セラムアーツとしてオーダーメイド転写紙の販売を始めてから数年経ちました。 非常に気になるのはポーセラーツ関係者の「食器の安全性」に関する意識の低さです。 鉛の毒性のもっと深刻に考えなければなりません。以下は専門のウェブサイトの抜粋です。
「一部の鉛中毒は、鉛入りの塗料の摂取や、不適切な鉛の釉薬(ゆうやく)をかけた輸入陶磁器での飲食が原因で起こります。 鉛は、脳、神経、腎臓、肝臓、血液、消化管、生殖器官など体のさまざまな部分に影響を与えます。 発達中の神経系は最も障害を受けやすいため、特に小児は鉛の影響を受けやすくなっています。
食品衛生法における食品,添加物等の規格基準の一部が「食品,添加物等の規格基準の一部を改正する件」(平成20 年厚生労働省告示第460 号)をもって改正され、 ガラス製,陶磁器又はホウロウ引きの器具又は容器包装について鉛の溶出規格の強化が図られました。その結果、鉛溶出試験での許容溶出量が従来の半分以下になりました。 鉛の怖さが広く認識され、世界的な規制強化に日本も合わせた結果です。
鉛の溶出試験は、内側に転写紙で絵付けした食器に酸性溶液を満たし、24時間経過後に酸性溶液中に溶出した鉛の濃度を測定し、基準値より低ければ合格とします。 しかし、よく考えてみてください。最初の1回だけ?24時間で大丈夫?もしも表面のガラスコートにひびが入ったら?何回も洗ったりしたら大丈夫? ご心配はごもっともです。規制は使用者を守るためにありますが、生産者を守るという意味も否定できません。
セラムアーツのポリシーは「使えない食器は作っても意味はない」です。 セラムアーツの販売する転写紙には、鉛は一切使っていません。

       


5)オーダーメイド転写紙の注文方法のフローチャート
ご注文のフローチャートを下に示します。



原稿の入稿 (原図の作成のお手伝いも含め全て無料)
お気軽に原稿を入稿してください。画像ファイルの形式は、pdf, eps, svg, AI (CS2), jpg, bmp, png, gifなど何でも結構です。 デジカメ写真は郵送での入稿も可能です。スキャナーで取り込んで転写紙を作り商品とともに原図を送り返します。 画像ファイルは、必要に応じて電子トレース解像度の向上処理(重要)を行います。 印刷はすべてA4サイズとなります。周囲5-6mmは印刷できませんので、ご注意ください。
5Mb以上の大きなサイズのファイルは下の原稿入稿口から、それ以下の小さなファイルは、直接、shopmaster@ceram-arts.comへメールの添付ファイルで送ってください。 ばらばらのパーツでも結構です。ほぼ即日で完成イメージを送りますので、その後はメールのやり取りで原図を修正し最終版を作ります。 イラストレーターユーザーで慣れた方は、セラムアーツの最終原稿の形式に合わせてご入稿いただけると「500dpi割引き」が適用されます。
最終版を作っても転写紙を注文する必要はありません。 転写紙の画像は全てセラムアーツの専用サーバーに保存されますが、第三者に漏洩することは絶対にありませんのでご安心ください(ご要望があればデータは完全に消去します)。 サーバーに登録した原図は、その後、必要に応じて何回でも印刷できます。

サーバーへの画像ファイルの登録には下のボタンをクリックしてください


6)セラムアーツの転写紙の技術的な優位性
○色調整の方法
陶磁器用のトナー顔料も通常のレーザプリンタと同様にC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の4色を原色として、これらを組み合わせることで全ての色を発色しています。 コンピュータ上のCMYK値とプリンターで出力したときのCMYK値にはずれがあり、このずれを補正するのがカラープロファイルというファイルです。 通常のレーザプリンタでは補正の幅は小さいので問題はないのですが、陶磁器用のトナー顔料では補正幅は著しく大きくなります。 セラムアーツでは独自にカラープロファイルを開発するだけでなく、1枚1枚デザインの色使いを見てマニュアルで色補正を追加しています。 試し刷りと調整を繰り返すので、とても大変な作業ですが、これにより他の業者のように彩度を犠牲にせずに原図に近い色を実現しています。 しかしながら、マニュアルでやると同じデザインであってものデザインとの組み合わせや、以下で述べるレッド系、マゼンタ系の選び方などで色が再現しないという問題が生じます。 セラムアーツでは、お客様から削除依頼が無い限り、全てのデザインの画像ファイルと印刷条件を保存しています。したがって、同じ色味が必要なときは前回のご注文日とともにその旨連絡してください。 ご満足いただける程度には色の再現が可能になります。

○ふちあり(薄膜コート)転写紙
ふちあり(高光沢)転写紙は多くの業者で販売されています。この転写紙は表面光沢はあるのですが濃い色を印刷するとちぢれが発生し、ウォーターホール欠陥も発生しやすいという問題点があります。 後者については木工ボンド希釈液を貼り付け時に使用することで解決可能なことを見出しました。しかしながら、前者については本質的な問題で、デジタル転写紙は色が薄いという評価の原因にもなっています。 セラムアーツでは、ちぢれの原因がガラス層の厚みによるものであることを突き止め、ガラス層を薄くすることを試みました。 しかし、単にガラス層を薄くしたのでは表面光沢が著しく低下し場合によっては定着不良も起きる場合があります。そこで、それを避けるため液体フラックスを開発し印刷面前面にスプレーしました。 これがセラムアーツだけが販売するふちあり(薄膜コート)転写紙です。表面光沢はやや劣りますがふちのあまり目立たない転写紙となっています。






7)セラムアーツの販売する転写紙の種類
セラムアーツは以下の転写紙を販売しています。

オーダーメイド転写紙
ふちなしブラック:  黒単色の文字・イラスト用です。 黒の色は若干弱く表面光沢もやや劣りますがふちは全くありません。 価格は1,580円/枚です。ブラック顔料の改良によりフラックス含有トナーでも、以前より強い黒が出せるようになりました。
ふちあり(高光沢):  写真転写紙用です。価格は1,580円/枚です。 表面の高光沢が得られますが強い色を出すとちぢれと呼ばれる欠陥が発生するので色の強さを落として印刷します。 また、この転写紙はウォータドロップ欠陥ができやすいため、木工ボンド希釈液で白磁への密着性を高める必要があります (木工ボンドの成分は酢酸ビニルで400度以上に完全に焼失するため電気炉に悪影響を及ぼすことは決してありません)。
ふちあり(薄膜コート):  デザインに沿って切り取りが容易なイラスト用の転写紙です。価格は1,580円/枚です。 表面光沢にやや劣りますがふちはあまり目立ちません。この転写紙も木工ボンド希釈液で白磁への密着性を高める必要があります。
 
  レッド系・マゼンタ系については通信欄でご指定もできますが、特に指定のない場合は、当社で適切な方を選択します。 デザインの画像ファイルを自作される方には500dpi割引き(200円/枚)が適用されます。



       


8)レッド系とマゼンタ系について
通常のプリンターはシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4種類の顔料を混ぜて全ての色を出しています。 赤はマゼンタとイエローの混合で発色しますが、高温で焼成する陶磁器用の無機系顔料では、両者を混ぜても赤は発色せず、くすんだエンジ色になってしまいます。
レッド系
鮮やかな赤はお客様からの要望が強い色なので、レッド系ではマゼンタの代わりに赤(レッド)の顔料を使います。 これにより鮮やかな赤の発色が得られますが、反面、マゼンタは発色しなくなりピンクは薄紅色に近くなります。 また、4原色の1つを入れ替えているので他の色も色ずれが起きます。その中でも最も色ずれの激しい色は紺色です。 原図では紺色に見えていても印刷すると赤紫色になってしまいます。 セラムアーツでは、この色ズレについて1枚1枚色補正をして印刷しています。しかし、完全にはできないことは予めご了承ください。
マゼンタ系
これに対し、マゼンタ系では4原色をそのまま使うので、ひどい色ずれは起こりません。 しかしながら、鮮やかな赤が発色しなくなります。特にピンクが必要な場合にマゼンタ系をご指定ください。




9)転写紙用の画像の作成と編集
セラムアーツではお客様がご自身で画像ファイルを作成・編集することを勧めています。 必要なソフトはAdobeイラストレータ(Creative Suite)です。バージョンが古いものでも大丈夫ですので、中古でもお買い求めになることをお薦めします。 イラストレータさえあれば、デザインを作ることから、デジカメ写真の編集から何でもできます。 この他にAdobe Photoshopも必要ですが、この作業は当社がなった方が良いと思います。


10)特殊ソフトを使った解像度向上処理(無料)
ご入稿いただく画像ファイルは350dpi以上の解像度のものをお願いしていますが、多くのお客様は72dpi程度でご入稿され、高解像度ファイルがご用意できない場合が多いです。 電子トレースによりベクターファイル化できれば問題はありませんが、カラーのイラストなどでは電子トレースをすると輪郭がむしろギザギザになってしまうことがあります。 セラムアーツではこのような場合にラスター形式の画像ファイルのままで解像度を向上する特殊ソフトを開発しました。


この技術はお客様にとっては非常に重要です。今まで印刷に使うことのできなかった様々な画像を転写紙として使うことができます。

       


11) 500dpi割引き
 セラムアーツでは、無料サービスでお客様のデザイン作成をお手伝いしていますが、枚数の増加にともない手が回り難くくなっています。 そこで、セラムアーツの印刷用最終原稿の形式に合わせて原稿をご入稿していだだけるお客様には、特別に「500dpi割引き」を始めました。
 500dpi割引きを使う方は、下記の手順にしたがい最終原稿を作り入稿してください。 この割引きを希望する方は、ご購入の前にセラムアーツへ連絡してください。割引き料金の購入ページをご紹介します。

○転写紙画像の作成
転写紙用画像はAdobe CS イラストレータで作成しjpgファイルで保存します。画像を使う場合は350dpi以上にしてください。 以下の手順でファイルを作成してください。

1. 下からframe.aiというファイルをダウンロードしてください。
frame.aiのダウンロード
2. 転写紙のデザインはこのフレームの赤枠の中に入れてください。
3. jpg形式で保存してください(ファイル名:name_year_month_date-number)
 CS イラストレータでの操作手順:ファイル→書き出し→JPEGを選択→保存
  カラーモード:CMYKを選択(重要)
  画質:最高を選択
  圧縮方式:ベースライン(標準)を選択
  解像度:その他を選択し500を入力 (重要)
  アンチフェリアス:文字に最適またはアートに最適を選択(内容によります)
  ICCプロファイルを埋め込むのチェックを外す(重要)
5. 原稿入稿口からファイルを入稿してください(500dpi割引き希望と記載)。
6. セラムアーツから割引が適用されるかどうかのメール連絡が入ります。
7. ご入金確認後に印刷して発送します(完成イメージの確認はありません)。

以下に示す従来の台紙でも割引きを受けることができます。



1. イラストレータで新規ファイルをサイズA4(縦または横)で作ってください。
2. A4サイズの枠を2pt黒で描いてください←重要
3. デザインを創ってください。ただし、外周5mm(薄膜コートの場合は外周6mm)は印刷されません。 画像を使用する場合は最低でも350dpi以上のものを使用してください。
4. jpg形式で保存してください(ファイル名:name_year_month_date-number)
 イラストレータでの操作手順:ファイル→書き出し→JPEGを選択→保存
  カラーモード:CMYKを選択(重要)
  画質:最高を選択
  圧縮方式:ベースライン(標準)を選択
  解像度:その他を選択し500を入力 (重要)
  アンチフェリアス:文字に最適またはアートに最適を選択(内容によります)
  ICCプロファイルを埋め込むのチェックを外す(重要)
5. 原稿入稿口からjpg画像ファイルを入稿してください(500dpi割引き希望と記載)。
6. セラムアーツから割引が適用されるかどうかのメール連絡が入ります。
8. ご入金確認後に印刷して発送します(完成イメージの確認はありません)。

画像が用意できたら原稿投稿口から画像を入稿してください。 2日以内にセラムアーツから返信があります。返信のない場合はshopmaster@ceram-arts.comに催促してください。

12)転写紙の使用方法と焼成条件(推奨値)
水転写紙でいつもお使いのポーセリンアート・ポーセラーツ用転写紙と貼りつけ方は同じです。 しかし、デジタル印刷した転写紙では、生地と転写紙の間に水が残りやすくなります。 貼った後の水の掃出しは丁寧にやってください。
参考のため、セラムアーツの推奨する焼成条件を以下に示します。
 STEP 1: 450−550℃まで180−210分間かけて昇温(重要)
 STEP 2: 450−550℃で10分間保持(無くても良い)
 STEP 3: 450−550℃から820―850℃まで60−90分間で昇温(これより速くても良い)
 STEP 4: 820−850℃で10−15分間保持
 STEP 5: 降温(電源をオフしてもいいです)

電気炉「彩火」のユーザー様から当社転写紙の焼成不良に関するお問い合わせ・クレームが数件ありました。ご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした。
彩火で濃い色の転写紙を焼成したときのみ転写紙に不定形の穴が空くという現象で、問題は彩火の焼成プログラムにあることがわかりました。 彩火での焼成で生じた欠陥・ダメージを下図に示します。

焼成後に不定形の穴が空くのは、500℃までに転写紙の炭化・焼失が終了しておらず、転写紙のオーバーコートに含まれる有機物が炭となって残り、高温でそれに火が付いたためです。 原因は、酸素量の不足と500℃までの昇温時間が短かすぎるためです。当社の転写紙の焼成温度は820−850℃ですので、彩火の固定プログラム1番が使われます。 ここで問題なのが400℃までの昇温時間が1時間30分と、通常の上絵付けの条件に比べ非常に短いことです。彩火の固定プログラムでは400℃での保持時間はなくそのまま最高温度まで急速昇温されます。 また、彩火は匂いの発生を抑えるため密閉性が良く設計されており、酸素量が不足しがちになります。これらが全て重なって上の欠陥を発生しています。 色の濃い部分にのみ欠陥が発生するのは、レーザープリンターでは顔料に定着用の有機物を混ぜるので、色の濃い部分すなわち顔料の多い部分は有機物の量も多くなるためです。
お問い合わせ・クレームを出すお客様は例外なく、他の転写紙では問題なく焼けていると言います。 しかし、他の転写紙とはポーセラーツ関係者の愛用するヴォー○社の転写紙、もしくは、その類似品ではないでしょうか。 ヴォー○社の転写紙は、水中で剥離したあと指にまとわりつく感じになります。これはオーバーコートを非常に薄くしているためです。 これにより転写紙の有機物量が少なくなり、彩火の固定プログラムで焼成してもオーバーコートが綺麗に焼失して欠陥なく焼き付けることができます。 これは転写紙の設計コンセプトによるもので、それ自体に全く問題はなく、むしろ、進歩的であると言えます。 しかし、このような転写紙は世界的に見て一般的ではありません。
当社のデジタル転写紙はドイツ製で世界中で使用されていますが、日本以外で焼成不良は発生していません。 したがって、当社としましては、特殊なのは当社の転写紙ではなく、彩火の固定プログラムの400℃までの昇温時間であると考えています。 いかなる陶芸家・陶磁器製造所に聞いてもらっても結構ですが、400℃まで一時間半という昇温速度は異常に速すぎます。 また、転写紙のオーバーコートにはアクリルのフィルムが使用されますが、 その焼失温度として400℃は不十分で、最低でも450℃、できれば500℃まではゆっくりと昇温する必要があります。
以上より、当社の転写紙を彩火で焼成する場合は、固定プログラム7番または8番を使って、450−500℃まで3時間、最高温度820℃、保持時間15分間のプログラムを入力し、 そのプログラムを使って焼成していただくようお願いします。なお、このプログラムでヴォー○社の転写紙はおよびその類似品を焼成しても全く問題ありません。

13)転写紙焼成時の欠陥に対する補償規定
 お買い上げいただいた転写紙を焼成した結果、欠陥が生じた場合の補償の規定です。 欠陥が発生した場合はデジカメ写真を撮り、shopmaster@ceram-arts.comに送ってください。

補償対象となった場合には代替品を送ります。 また、白磁などの損失があった場合には、相談の結果、当社の責任が重大かつ主要であると認められれば損失額を補償します。
転写紙の貼り付け時に生じた欠陥は保証の対象外となります。
転写紙が原因の欠陥はデザイン上の同じ色の部分に同様の欠陥が複数発生します。それ以外の欠陥は保証の対象外となります。
転写紙を貼りつける時にゴムヘラ等での排水が不十分ですと、焼成後のイメージに丸い水滴上の穴が空きます。排水不足による欠陥は補償の対象外となります。
当社の推奨する焼成条件では、450-550℃まで180-210分かけて昇温します。この時間が180分以内の場合には補償の対象外となります。 500℃くらいまでの昇温速度が速すぎると転写紙の有機物(オーバーコート)が炭化・焼失する前に転写紙に火がついてしまい、画像に酷いダメージを与えます。
当社の推奨する焼成条件では、焼成温度は820-850℃となっています。 これ以上の温度で焼成、あるいは、850℃付近で長時間焼成した場合は色が薄くなることがあります。 焼成温度が高すぎるため、あるいは。長すぎるために発生したとみなされる欠陥は補償の対象外となります。 なお、焼成温度が低い場合はフラックが溶融せず不透明なガラスが表面を覆って発色が悪いように見えます。この場合には、適正温度で再焼成してください。
転写紙を電気炉で焼成する場合は、転写紙の向く面に十分な解放空間を作り、特に500℃までは換気をして十分な量の酸素を転写紙の表面に供給してください。酸素が不足して蒸し焼きになるとオーバーコートが炭になり、高温でそれに火がついて画像に酷いダメージを与えます。欠陥の原因が酸素不足の場合は補償の対象外となります。
欠陥の原因が特定できない場合は、当社で同じデザインの転写紙を印刷し市販のタイル上に貼り付けて焼成テストを行います。このテストの結果が正常であった場合には、原因不明であっても補償の対象外となります。
色ズレは補償の対象外となります。ただし、色ズレが原因で再印刷する場合には特別価格1,000円/枚を適用し、注文と同じデザインで最大同じ枚数まで印刷します。 この特別価格は1回のみの適用となります。

       


14)よくある質問

オーダーなのに、なぜ、こんなに安いのですか?
陶磁器用の転写紙は、ほぼ全てスクリーン印刷法で作られています。原図から版をつくり色の異なるインクを用意して何回も重ね刷りする方法です。 この版とインクを調整するのにお金と時間がかかります。これに対し、セラムアーツの転写紙はカラーレーザープリンターで印刷しているとお考えください。 少ない枚数の印刷ではこちらの方がはるかに安く、また、色数によって値段は変化しません。
納期は?
通常は完成イメージの送付に2−3日、転写紙の作成に2−3日、発送しお手元に届くのに3−4日で10-14日程度でお届けします(土日曜日・祝日は休業です)。
食器に使っても大丈夫?
当社の転写紙は非鉛系顔料を使っていますので問題ありません。新技術のふちなし・ふちありタイプともに印刷面をガラス層が覆うので安全性は格段に向上しています。 小さなお子様の使う食器の内側に絵付けする場合は、そのうえからトップコート転写紙を貼ることをおすすめします。 ジュースなどの酸性溶液に顔料中の金属イオンが溶出するのが問題ですので、印刷面へのガラスコートは非常に効果的です。
当社の顔料はドイツ製でドイツの厳しい検査をクリアーしています。これに対し、他社の転写紙はほとんどがふちなしタイプで、鮮やかな赤の発色に鉛を使用しています。 赤以外でも鮮やかな色の発色には有害金属がつかわれます。特に中国製をお使いになるときはご注意ください。一般的に鮮やかな発色の得られる転写紙ほど、食器への使用における危険性は高いとお考えください。
当社の転写紙は十分な安全性を確保したうえで、できうる限り綺麗な発色が得られるように工夫した商品です。
焼成温度は800℃でもいいですか?
大丈夫です。しかし、できれば、20−30℃ほど高い方が好ましいです。800℃以下ですと、フラックスの溶融が不十分になり、表面の艶が落ちる可能性があります。
食洗機、電子レンジは使えますか?
全く問題ありません。通常の食器と同じと考えてください。
原稿の作成は助けてもらえますか?
パーツの拡大縮小、A4版ないへの配置のような簡単な作業は無料でお手伝いします。しかし、写真のトリミング、カラーバランス調整、画像トレース、歪み補正、デザインの加工などは別途料金がかかります。shopmaster@ceram-arts.comまでお問い合わせください。
デザインパーツ参考例はここから
デジカメ写真は転写紙になりますか?
最も得意なところです。大きさを決めてもらえれば、こちらでA4版内に配置します。ペットやお子様の写真のご注文を多くいただいています。 コンピュータの苦手な方はプリントした写真を送ってください。こちらでスキャナーで取り込んで転写紙にし、原図は商品とともに送り返します。これも無料のサービスです。
色見本はありますか?
デザインごとに印刷条件を変えているので色見本は用意できません。申し訳ありませんが、最初の1枚はテストと割り切ってご購入ください。 色の鮮明度がないように感じられるでしょうが、食器としての安全性を最優先ににして、鮮やかな色の出る鉛など有害金属を使っていないためですので、ご理解をお願いします。
ガラス用の転写紙はありますか?
新技術により、近い将来可能になるかもしれません。最大の課題はフラックスの非鉛化です。

15)よくあるクレーム

転写紙への質問・クレームの90%は焼成温度不足によるものです
当社の転写紙の焼成温度範囲は820−850℃です。お使いになっている転写紙の焼成温度が800℃であるとすれば、フラックスに鉛含有ガラスを使用しています。 当社の転写紙は非鉛系フラックスを使用しているため800℃では定着不良を起こします。 すなわち、当社の転写紙を800℃で焼成するとフラックスが溶融不足となり白磁に定着せず、1)指でこすると色が落ちる、2)水で洗うと色が落ちる、3)表面のツヤが無い、4)発色が悪いなどの問題が生じます。 発色が悪くなるのは、本来透明になるフラックス(ガラス)が溶融不足により半透明になるためです。この場合には当然表面のツヤもなくなります。 これらの現象が起きた場合は、当社に連絡する前に焼成温度のチェックをしてください。
次に多い質問・クレームは、転写紙の色を見て発色が悪い、色が鮮やかでないというものです。
陶磁器用デジタル転写紙に一般のカラープリンターと同じ発色を期待することはできません。 一般のプリンターは彩度の高い有機系の顔料を使用するのに対し、耐熱性が必要な陶磁器用デジタル転写紙には彩度が落ちる無機系顔料を使用するためです。 一般のプリンターと同じ彩度の発色を求める方は、当社の転写紙ではなく有機系顔料を使用するオーブン焼成用転写紙などをお選びください。
3番目に多い質問・クレームは画像が鮮明ではないというものです。
これは原図の解像度によるもので、いかなる印刷業者でも解像度が低く不鮮明な画像を鮮明にすることはできません。 原稿を入稿するまえに原図を10倍程度に拡大し、それでも鮮明であることを確認してください。 A4サイズで解像度が100dpi以下の画像は満足する出来にはなりません。 例外的に当社では高解像度化処理をしていますが、処理ファイルのサイズに上限があるためパーツごとの入稿をお願いします。 A4サイズの画像を高解像度化処理することはできません。
4番目に多い質問・クレームは画像の一部の色が抜けたというものです。
ほとんどの場合、ウォータードロップ欠陥によるものです。特にお皿などの凹面に転写紙を貼る場合、白磁と転写紙の界面に残る水をゴムヘラで排出できず水が残って転写紙が浮く場合があります。 これをそのまま焼成すると残った水が蒸発するとき水泡となって転写紙に穴をあけます。 この欠陥を防ぐには木工ボンドを10倍に薄めた溶液を作り、白磁に数滴垂らしてから転写紙を貼り完全に排水してください。 焼成前に斜めから見て転写紙の浮いた部分がないかチェックしてください。浮いた部分があると100%失敗します。 できれば焼成中200℃位で転写紙の表面を観察して穴が空いていないかチェックしてください。
5番目に多い質問・クレームは薄い灰色の色味が原図と違うというものです。
灰色はシアン、マゼンタ、イエローのバランスで出しますが、薄い灰色の場合、わずかなバランスの変化で青み、赤み、黄色みががって見えたり、原図と色味が変わって見えます。 当社の転写紙は1枚1枚原図に近づけるように色調整をしてから印刷しています。色調整の条件は使われている色で変化します。この色調整によりバランスが崩れて薄い灰色の色味が変化します。 その部分だけを選んで再度色調整をすれば良いのですが、人件費の関係でそれはしていません。 したがって、薄い灰色の色味が変化した場合は、1,000円/枚の再印刷で灰色の色味を原図に合わせるように指定してください。 全く同じ原図を使う場合は色味は再現しますが、デザインを少しでも変えた場合は色調整をやり直しますので再印刷が必要になります。

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